ストリーミング放送の普及
インターネット(IT)が利用できるようになっておよそ30年近くなります。
Windows95パソコンが出てきた頃からですね。
その間、ガラケーからスマホの時代に変わり、若い世代から赤ちゃんまでタブレットを上手に操る時代になりました。
私は、あまり地上波TVを見なくなった代わりに、ストリーミングのドラマや映画を見るようになりました。Apple TV、Amazon Prime、NetFlix、Disneyプラス、等です。
その中で、様々なノンフィクションあるいはフィクション小説を原作にした映画やドラマが製作され、配信されています。
その中で、Apple TV+で配信されている”FOUNDATION”について、見てみましたので鑑賞後感想を書いてみたいと思います。
介護と関係のない話題ですが、随筆、読書コーナーということで御一読ください。
アイザック・アシモフ Isaac Asimov
管理人(私)は割と読書好きでいろいろと読み漁る方なのですが、SF分野も好きで、アイザック・アシモフの作品は好きでよく読んでいました。
アシモフは「ファウンデーション」初期三部作として知られる銀河帝国ものを書いて、SF界で知られるようになりました。その後、ブランクがありますが、ロボットものの推理小説を書き、その後両者を融合させた世界観を持った後期「ファウンデーション」シリーズを書いています。
アシモフの死後(1992年4月6日)、アシモフ夫人の許可を得て、3人の作家が「ファウンデーション」新三部作を書いています。
アイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズを原作としてAppleTV+で”FOUNDATION”が配信されています。
Apple TV+ “FOUNDATION” 原作との関連、デマーゼルについて
ファウンデーションシリーズの主人公は心理歴史学を作り上げた天才数学者ハリ・セルダン(Hari Seldon)です。ロボットものの推理小説の主人公は、ニューヨーク市警の私服刑事イライジャ・ベイリ(Elijah Bailey)と彼と一緒に殺人事件の捜査を行ったロボット、R・ダニール・オリヴォー(R. Daneel Olivaw)、こと、後の帝国の宰相デマーゼルです。
しかしながら、後期ファウンデーションシリーズとロボットシリーズとの融合、アシモフ死後に書かれた新三部作を通して読むと、本当の主人公はR・ダニール・オリヴォー(デマーゼル)ではないかと思います。もともとは男性型ロボットです。
アシモフの原作によると、R・ダニール・オリヴォーは人類の初期植民者(スペーサー)の惑星オーロラでつくられたロボットで、ニューヨーク市警の私服刑事イライジャ・ベイリから人類の命運を託されました。デマーゼルの正体はR・ダニール・オリヴォーで、初期の植民惑星国家スペーサー世界の惑星オーロラのファストルフ博士によって作られました。ロボット工学3原則はこの時にプログラムされました。
スペーサー世界で起きた事件の捜査・解決
スペーサー世界はロボットに依存した世界になり、地球に残った人々(セツラー)を抑圧し、スペーサーとセツラーの間で抗争がありました。
そのころイライジャ・ベイリとR・ダニール・オリヴォーはスペーサーの惑星ソラリアで起きた殺人事件を一緒に担当しました。その際、イライジャ・ベイリの問題解決能力を見てセツラーの優れた可能性に気が付きます。
地球の放射能汚染
セツラーの銀河系への植民計画を進める際に、スペーサーとセツラーの間で抗争があり、その過程で地球表面が放射能で汚染され、セツラーの植民経過が否応なく促され、セツラーは銀河系全体に植民して行き、多様な世界をつくり、やがてスペーサーはひっそりと表舞台から消えていきました。
精神感応能力の獲得
R・ダニール・オリヴォーはR・ジスカルド・レベントロフに偶然備わった精神感応能力を譲り受け、主人(ファストロフ博士)の死後は人類全体への奉仕を目的として行動しました。
ロボット工学3原則の解釈の変更
その際に、ロボット工学3原則の「人間」を「人類」とみなし、第零法則「ロボットは人類に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、人類に危害を及ぼしてはならない。」を付け加えました。同時に、第一法則を「ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。ただし、第零法則に反する場合はこの限りではない。」と修正しました。
銀河帝国の建設
銀河帝国建設初期の物語はアシモフの原作では描かれていませんが、地球人の銀河系への植民計画を裏方で支え、銀河帝国建設へ誘導していったのはR・ダニール・オリヴォーです。その際に精神感応能力と第零法則が役立ったと思います。
R・ダニール・オリヴォー
R・ダニール・オリヴォーはハリ・セルダンの心理歴史学による予測の有用性、及びその予測する事態(銀河帝国の滅亡と長く続く暗黒時代)に気が付きました。原作では様々な名前と姿でハリの前に現れ、ハリの研究を裏から支え、科学技術による人類再興の基礎となる第1ファウンデーションの建設を助けます。ハリの伴侶もドース・ベナピリという女性型ロボットでした。また、第1ファウンデーションを補完する精神感応能力者達による第2ファウンデーションの建設にも陰ながら助力しています。
Apple TV+の”FOUNDATION”
AppleTV+の「ファウンデーション」はかなり脚色されていますが、デマーゼルが出てくるなら全80エピソードのどこかで、R・ダニール・オリヴォーや地球の物語も出てくるかもしれませんね。楽しみです。
原作が書かれた時期以降にAI、人工知能の発達があり、新三部作で描かれた模造人格という、人間の知識や人格を機械に移し替える技術なども描かれていましたが、Apple TV+では、そういう要素も加わり、違った味わいがあります。
補足 アイザック・アシモフ氏とイーロン・マスク氏
ちなみに、テスラ、Space X、X(旧Twitter)の経営者として知られるイーロン・マスク氏(Elon Musk氏)もアイザック・アシモフ氏の作品の愛読者で、多大な影響を受けていると自ら述べています。
彼がStarshipによる火星植民を目指し、EV普及にこだわり、AI開発に注力しているのは「人類と我々の文明が生存し続けるためには、多惑星文明にならなければならない。」という信念に基づいているようです。
(by へっぽこ管理人H.S.)
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